建設業を営む上で、「建設業許可」は事業の生命線です。許可がなければ、一定規模以上の工事を請け負うことができなくなります。
ところが、毎年100〜200社前後の建設業者が許可を取り消されているのをご存知でしょうか。国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」によると、2020年は96事業者、2021年は203事業者、2022年は106事業者が許可取消となりました。 Activation-service
今回は、実際に公表された取り消し事例を3つご紹介します。
❶ 役員が交通事故で禁錮刑を受け、欠格要件に該当したケース
【静岡県の事例/静岡県公報より】
静岡市葵区のある建設業者では、役員が静岡地方裁判所において、過失運転致死の罪により執行猶予付きの禁錮刑の判決を受け、令和3年3月20日に当該判決が確定しました。このことが建設業法第8条第12号の欠格要件に該当するとして、同法第29条第1項第2号に基づき許可が取り消されました。 Office-align
【ポイント】 禁錮刑以上の刑を受けた役員がいると、たとえ執行猶予がついていても、その期間中は欠格要件に該当します。執行猶予期間が満了すれば欠格要件には該当しなくなりますが、執行猶予期間中は建設業許可を維持できません。 Ctc-kensetsu交通事故でも人ごとではないのです。
❷ 営業所の所在地が不明になり、公告後も申出がなかったケース
【静岡県の事例/静岡県公報より】
掛川市のある建設業者では、営業所の所在地を確知することができないため、令和5年10月13日付け静岡県公報第458号でその旨を公告したが、当該公告の日から30日を経過しても同社から申出がなかった Office-alignとして、許可が取り消されました。
【ポイント】 移転や閉鎖の際に変更届を出し忘れると、行政から連絡が取れなくなり、この事例のように「所在不明」として許可取り消しに至ることがあります。住所変更・電話番号変更などは必ず速やかに届け出ましょう。
❸ 経営事項審査で完成工事高を水増しした虚偽申請のケース
【国土交通省・監督処分基準の公表事例より】
令和3年5月31日及び令和4年5月31日を審査基準日とする経営事項審査において、完成工事高を水増しした虚偽の申請を行うことにより得た経営事項審査結果を公共工事の発注者に提出し、公共発注者がその結果を資格審査に用いた。このことは、建設業法第28条第1項第2号に該当する Craft-bankとして、営業停止処分が下されました。こうした悪質なケースでは許可取り消しに至る場合もあります。
【ポイント】 公共工事の受注を有利にしようと実績を偽ることは、建設業法の重大違反です。虚偽や不正による取消件数は意外と多くあります。 Activation-service「少しくらい…」という気持ちが会社の存続を脅かします。
許可取り消しになると何が起きる?
取り消しには「手続き上の取り消し」と「不利益処分による取り消し」の2種類があります。前者は要件を満たせなくなった場合で、速やかに届け出れば5年を待たずに再申請できます。しかし後者(法律違反による取り消し)は深刻です。建設業許可を取り消されると、5年間は新たに建設業許可を取得することができなくなります。また、取り消された法人の役員等が別の会社で役員等になる場合も、5年間建設業許可の取得はできません。 Kirameki-office
まとめ:許可を守るために今すぐできること
許可取り消しの主な原因は「うっかりミス」と「意図的な不正」の2パターンです。法律違反のつもりがなくても、届け出漏れや人事異動の対応不備が命取りになることがあります。
少しでも不安がある方は、お気軽に当事務所にご相談ください。許可の維持・管理も、行政書士がしっかりサポートします。

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